BtoB営業で「DM」はいま再評価されている
リモート化や情報過多により、電話・メール・広告だけでは初回接触が取りにくくなりました。そんな中で、DM(ダイレクトメール)は「確実に届き、手に取られる物理的な接点」として、BtoBの新規開拓でも見直されています。
とはいえ、単に送るだけでは成果は出ません。データに基づくターゲティング、内容のパーソナライズ、デジタル導線での可視化を組み合わせ、営業と連動させることで、初めて大きな効果が生まれます。
BtoB新規開拓が難しくなった3つの背景
1. デジタル接点の飽和
オンライン広告やメールの露出は増え続け、担当者の可処分注意は枯渇。既存チャネルの反応率が漸減し、新しい初回接点の確保が課題です。2. 信頼形成の遅延
高単価・長期検討のBtoBは、初期から信頼感と実在感を伝えないと進みません。デジタルだけでは「真剣に向き合っている感」が伝わりにくいケースがあります。3. リスト精度と運用の非効率
宛先の役職・業務テーマが合っていない、住所の名寄せが不十分など、検証や振り返りによるPDCAを回せていないことで、結果が出せない問題があります。営業効果を最大化する「DM×データ×デジタル」設計
1. ターゲティング:既存データから「勝ちパターン」を定義
まず、既存顧客・商談のデータをもとに、以下のようなプロファイルを設計します。・業種・従業員規模・年商レンジ
・主担当(購買/情シス/製造/総務など)と決裁関与度
・導入前の課題・トリガー・意思決定プロセス
この「勝ちパターン」に近い企業を抽出・スコアリングし、優先送布リストをつくります。展示会リードやインサイドリードも、スコアに応じてDM接点を追加します。
2. クリエイティブ:役職×業種でパーソナライズ
“誰に届くか” と同じくらい “何を渡すか” が重要です。・宛名面・本文・同梱物に企業名/業種/役職を反映(可変印字)
・役職別ベネフィット(例:決裁者にはROI・事業リスク軽減、実務者には工数削減・運用手順)
・同業の事例スニペットや、業界特化の比較表を差し替え
・一通一目的(例:資料DL/診断申し込み/イベント誘導のいずれかに集約)
開封→一読→次アクションの導線を、封筒・ヘッダー・ファーストビューで明快に示しましょう。
3. デジタル導線:QR・PURLで“見込み度”を可視化
紙DMの弱点は「反応が見えにくい」こと。QRコード/PURLでランディングページへ誘導し、・アクセス有無、滞在、資料DL、フォーム離脱を計測
・記事カテゴリ別の閲覧で関心テーマを推定
・ID単位のスコアリングで営業の優先フォローを明確化
MA/CRMと連携し、**“DM反応→即時架電・メール・アポ打診”**まで自動トリガー化すると、営業速度が上がります。
4. オファー設計:BtoBで刺さる「持ち帰れる価値」
反応率を上げる鍵はオファーの質です。・無料診断(コスト削減・セキュリティ・生産性などテーマ別)
・事例集×ROI試算テンプレ(稟議で使える体裁)
・チェックリスト(導入準備・比較表つき、担当者が社内展開しやすい)
“今すぐ意思決定できなくても、社内で使える” 価値を渡すと、商談化率が伸びます。
5. 運用体制:発送オペレーションの仕組み化
・住所クレンジング(名寄せ・表記統一・転居補正・重複排除)・小ロットABで学びを早回し → 勝ちパターンを増刷
・月次の定期配布で季節性・予算期・展示会前需要に乗せる
・印刷・封入・差出は外部連携し、マーケは設計と検証に集中
6. 検証:媒体×セグメント×訴求×タイミングで“勝ち筋”固定化
KPIは、QR流入率/資料請求率/商談化率/受注率/CPA/LTV。・業種・規模・役職・課題テーマでダッシュボードを切り、どこが高反応かを特定
・未反応に対してはメール・架電・リタゲで複線アプローチ
・レポートは営業と共有し、次月のセグメント・訴求・数を共同決定
DMは「物理接点×データ接続」で営業を加速させる
「DM BtoB 新規開拓」を成功させる本質は、紙を出すことではなく、最適な相手に、刺さる内容を、測れる導線で届け、学習して磨くことです。ターゲティング→パーソナライズ→デジタル連携→高速PDCAを一連の仕組みにし、営業と一体運用にすれば、DMは信頼を生む初回接点として強力に機能します。いまこそ、紙の到達力とデータの可視性を掛け合わせて、勝ち筋を固定化していきましょう。